実験用のマウス(ノックアウトマウス)を作るのって、ポルシェ一台を買うよりもお金がかかるんですね。




どうも、トシオです。





ブログを始めてからというもの、ひたすら言葉を吐き出して吐き出して、吐き出してきましたが、意外と吐き出してみると、自分の中に蓄積してきたものって結構多いんだなあと、人生の長さを考えると当たり前のことに感心すると同時に、このまま行くと吐き出すものがなくなって虚無感に襲われることを予感し、今はインプットに努めています。


文章でずーっとアウトプットをしていると、自然とインプットをしたくなってきますよね。
足りない知識を補うこともそうですし、別の人の視点を知りたくなります。


本当はインプットしながらアウトプットするのが最善かと思いますが、その話は一旦スルー。



センス・オブ・ワンダー




『センス・オブ・ワンダーを探して』


さあ何を読もうかなーと、Amazonを開き、数年前に登録した「ほしい物リスト」をスクロールし、コロコロ変わる私の興味関心の変遷を辿りまして、見つけたのがこちらの本でした。


動的平衡という理論で知られる福岡伸一先生と、エッセイストやタレントとして活躍する阿川佐和子さんの対談本です。


内容は以下のような感じ。

生命の美しさに心を奪われ、生物学者を志したもと昆虫少年・福岡ハカセと、少女の頃に出合った物語の主人公たちの不思議な冒険に憧れたアガワ。生物学者とインタビューの名手が語り合うその向こうに、かつて確かに感じた喜びと驚き、畏怖と憧憬、世界を生き生きと受け止めるために不可欠な視点が浮かび上がる。生命、生と死、動的平衡、遺伝子の話から文明論まで、大人のセンス・オブ・ワンダーと出合い直すための発見と共感と刺激に満ちた一冊。

Amazon



私は福岡ハカセの「生物と無生物のあいだ」という本を読んでから、彼のハッとさせられる知識量と引き込まれる文章力、そして行間から滲み出る人間性にすっかり惚れてしまい、大ファンとなったのですが、この本を読んでみたら、対談の相手役を務めている阿川さんもうっかり好きになってしまいました。


それはお二方が語られていたセンス・オブ・ワンダーが沁みたからなのかなと思います。




センス・オブ・ワンダー





センス・オブ・ワンダー


「沈黙の春」などで有名なレイチェル・カーソンの言葉を借りて、本の中では「神秘さや不思議さに目を見はる感性」と訳されています。


別の日本語にすると原体験という言葉がしっくりくる気がしますよね。


センス・オブ・ワンダー。


この言葉を聞くと、いろんな情景がおぼろげながら頭に浮かんできます。


どんなに高くから落としても無傷なアリだったり、芝生の上で寝そべったときの草の匂いだったり、真後ろから追っかけても全速力で逃げるハトだったり、異世界に繋がっていそうなおばあちゃんの家の急階段だったり、橋の上からツバを落とすとそれにバッと群がる鯉だったり。


自分の原体験って何だろうって、たくさんあったはずなのに、すぐに呼び起こされない記憶がもどかしい。




センス・オブ・ワンダー






原体験って人それぞれですけど、この本の中で紹介されている、子供にセンス・オブ・ワンダーを体験させる海外の事例がものすんごく面白いんですよ。


場所はアメリカのワシントンD.C.。
保育所の4〜5歳の子供たちに美術館の絵を見せる授業なのですが、なんと、題材がまさかの抽象画。
抽象画と言えば、解説や解釈の難易度が高く、大人でも躊躇しがちなジャンルなのに、そんなものを幼い子供に見せて意味あるのかっていうのが一般的な見方ですよね。
しかし、そこのアプローチの仕方がさすがアメリカなんです。


結論から言うと、子供たちに「抽象画」を見てもらうのではなく、絵の中に隠れている「ゴキブリ」を探してもらうっていう大胆な発想の授業なんですけど、説明を省くとわかりづらいので、下に先生から生徒へのレクチャーの内容を引用します。

とても大きな絵で、絵描きさんはそれを描くのに何日も何日もかかりました。朝起きて自分のスタジオで絵に向かってペイントして、ティータイムをしてまた描いて、お昼ご飯食べてまた描いて、お昼寝してまた描いて、夜になって寝て、翌朝起きるとまた描いてというのを何日もやりました。何日目かに起きて、絵描きさんが「さあ、今日も描き始めよう」と思ったら、大きなキャンバスの上にゴキブリがベタっと貼り付いていました。最初は捨てようと思ったけど、「いや待てよ、このまま塗っちゃえ」と思って上からペイントしちゃったので、これからみんなが見にいく絵の中にはゴキブリがいます。さあ、それを探しに行きましょう。

『センス・オブ・ワンダーを探して』


ね?
すごいですよね?


なんと素敵な授業なんでしょうか。
私も一緒に混ざって探したいくらいです。


この先生のレクチャーのあと、生徒たちはめちゃくちゃ楽しそうに抽象画の世界に触れていたそうで、そういう素敵な先生から教育を受けている生徒たちがなんだか羨ましく感じられました。



捉え方たった一つで、子供たちに大きなキッカケをつくってあげることができる、最高の事例です。
私はこの視点に出会って、視界がかなり拓けた気がしています。




センス・オブ・ワンダー





あと、この本で印象に残っているのが、最後に語られていた阿川さんの言葉。




会うと、その人の子供時代の顔や姿が容易に想像のつく人と、さほど浮かんでこない人がいる。




福岡ハカセは間違いなく前者であるという話の流れなのですが、これを自分に置き換えてみると、内心ドキっとしてしまいます。ん?自分はどうなんだろう??って、自分の在り方を確認させられちゃいました。


自分がみんなからどう見られたいとかいう話では全くないのですが、どちらかというと、私も福岡ハカセ側でありたいし、人間として大人になった今でもセンス・オブ・ワンダーを大切にしていたい。


香水をキッカケにして、フレグランスの分野に関心をもって分厚い本を読んだりして調べまくっているくらいだから、子供の頃から変わらぬセンス・オブ・ワンダーが私にもあるのでしょうが、これって大人用の言葉に変換すると、知的好奇心と呼ぶのがふさわしいんですかね。










なんか、センス・オブ・ワンダーって言葉の響き、良いですね。


よき言葉ですね、好きです。





センス・オブ・ワンダー

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横浜生まれ横浜育ちの知的好奇心の奴隷。 島暮らしと山暮らしを経ての、街暮らし満喫中。 新しい刺激に貪欲で、まったりするのも好きだけど、基本的には超アクティブな超・直感型人間。